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サブリース契約より不動産経営のプロによる賃貸管理(PM)&滞納保証を活用

ここまで、「サブリース大阪.com」では、サブリースを安易に導入するのは、やめておかれた方が良いとそのデメリットについて説明してきました、このページでは、サブリースに変わる賃貸物件の管理方法をご提案させて頂きます。

とはいえ、サブリースの甘い提案書に一度気持ちが傾いた方の中には、提案を聞いて期待が膨らんでしまったために「迷ったけど、結局サブリースにする。」とサブリースへの誘惑を断ち切れない方もおられる事は想像に難しくありません。

「サブリース大阪.com」をここまで読まれた上で、そう決断された方は、きっとそのサブリース会社に余程の縁があったのでしょうから、「サブリース大阪.com」でもそのご決断を尊重し、応援するしかありません。不動産経営の成功には縁も大事な要素です。

そういった方にも、少しでもハッピーな結末に近付いて頂くため、次項にはサブリース契約書のチェックポイントとして、契約する上での注意点をまとめています。次項のサブリース契約の注意点を読んで、借地借家法に詳しい弁護士に相談し、共に交渉を行った結果、「与信力の高い大手不動産会社と満足のいく価格と期間で定借契約が結べた」など、当サイトがお役に立ったケースがあれば嬉しく思います。(その時は、是非お問い合わせフォームよりご感想をメールください。)

ただ、この項を読んで、サブリースを見送り、専門家による新しい賃貸管理「プロパティマネジメント」を選んで本当に良かったと感じて頂くのが当サイト執筆者の一番理想とするところです。10年以上不動産業界で働いてきた当サイト執筆者から見て、サブリースは、自分が儲けるための素人をだますためのシステムにしか見えず、そのようなサービスを平気な顔で営業している不動産会社・建設会社の事はどうしても好きになれないのです・・・・・・。(欧米のように不動産会社で働く人間が尊敬されるようになればいいな、と今の日本ではなかなか難しい希望を完全には捨てきれずにいるから、サブリース会社のスタイルを疎ましく感じるのでしょうか?)

ちなみに「サブリース会社に免責賃料を取られ、更に相場より安い賃料で貸すくらいなら、不動産経営のプロによる賃貸管理(プロパティマネジメント)の方が、実は得でリスクも低いのかも?きっちりと比較してみよう。」と、考え方を一度ニュートラルな状態に戻し比較してもらう事を一応の目標として書いてみたのが、このページです。

1.まずは、滞納問題から考えてみましょう。
サブリースを検討されるオーナーさんの意見を聞くと、「賃貸管理に任せた場合、滞納トラブルが解消されない」と心配をされている方が非常に多いように思います。(後に記載している空室の心配をされる方も多いです。)
滞納トラブルといえば「滞納者に対する督促業務の煩わしさ」と「滞納による未収被害」の2点が主な問題になるかと思います。しかし、督促業務は賃貸管理会社が行いますし、家賃保証会社を使えば未収リスクは回避できます。(家賃保証会社を使えば、滞納は保証されますし、立ち退きから残置物の撤去に到るまで家賃保証会社の費用で行ってくれます。)又、前ページでも記載しておりますようにサブリース会社自体の倒産が増えてきている現状を踏まえると、決してサブリースによって滞納問題が解消される訳ではなく、それどころか、もっと悲惨な滞納問題を招く可能性さえあります。
ちなみに平成21年1月現在、家賃保証会社で最もお勧めなのはリクルートフォレントインシュアでしょうか?まず第一にこの会社は、親会社がリクルート(一部、三菱UFJニコス資本)と母体がしっかりしています。そして第二に、家賃保証会社各社の契約約款を細かくチェックすると「ほとんどの家賃保証会社が保証を回避している一つの項目」がどうしても目に付くのですが、リクルートフォレントインシュアの約款ではきちんとカバーされており好感が持てるのです。
勿論、新興不動産投資会社リプラスを母体としたレントゴーの倒産など、家賃保証会社でもサブリース会社同様に倒産が見られるのは事実です。しかし、客観的に見てリクルートフォレントインシュアであれば、ほとんどのサブリース会社よりは信用度が高いのではないでしょうか。(※リクルートフォレントインシュアの倒産が無いと断定まではできませんが・・・。)
又、どちらも決してあってはならない事ですが、「サブリース会社の倒産」と「家賃保証会社の倒産」を比較すると、損害額や事後処理に掛る労力など様々な面で、契約の当事者であるサブリース会社が倒産した方が遥かに被害は大きくなるでしょうし、そもそもサブリース会社と契約するより家賃保証会社を使う方が遥かに安上がりです。
尚、「賃貸管理(プロパティマネジメント)と家賃保証会社の併用型」と「サブリース」、それぞれを導入した場合の差引収支額を比較した表を最後に貼っておりますので、飛ばし読みをしたい方は当ページ5(賃貸管理とサブリースの収支比較)をご覧になって下さい。

2.次に空室問題について見てみましょう。
結論から言えば、サブリースであれば、とりあえずは空室問題が解消されるのに対し、残念ながら賃貸管理会社に任せた場合、空室問題を完全に解消する事はできません。しかし、空室に悩まれているオーナーさんの本当の問題は、空室そのものではなく、空室によって生まれる空室損料、ひいては物件全体から入ってくる「総賃料の額が幾らになるのか」が問題のはずです。
空室だけが問題なであれば、よっぽど難のある物件でもない限り、家賃を下げさえすれば解決します。(極端な話、空室だけが問題なのであれば、募集条件を半額にすれば満室になるはずです。)そういう視点から見れば、空室問題とよく言われていますが、結局は賃料の問題なのです。
「サブリース契約のメリット・デメリット」や「サブリース訴訟に記載された裁判事例」をご覧頂ければ解るように、賃料下落リスクはサブリースであっても回避できない訳です。従って、「将来、建物が古くなったり、景気が悪化した際に、空室が増えると物件全体の総賃料が減るので困る」との考えからサブリースを任すのは、求める期待と現実に矛盾が生じている事になります。(但し、定借を使えば、サブリース会社が倒産しない限り賃料下落リスクは回避できます。)

大手不動産会社とのサブリース契約でさえ矛盾が表面化し訴訟になっている以上、サブリースという結論ありきではなく、「サブリースと賃貸管理(プロパティマネジメント)、手取り収入が多いのはどちらなのか」まずは一度きっちり比較した上で判断されるべきでないでしょうか。
絶対に満室稼働を続ける事が目的であれば、一棟貸し(サブリース)しか方法はないかもしれません。しかし、手取り収入の最大化が目的なのであれば、不動産経営のプロに賃貸管理を依頼して、手取り収入をアップさせ、「まずは投資金額を早めに回収してしまう」という選択こそが、不動産経営で成功する上での王道ではないでしょうか?(失敗の可能性を下げれば、成功の可能性は上がるはずという論理です。)

尚、正直言って、「サブリース大阪.com」が、賃貸管理をお勧めしている理由は、月額収支が良くなる事だけではありません。他にも様々な理由があります。しかし、このページではサブリースを任せる方向に傾かれている方に賃貸管理のメリットをご理解頂きやすいよう、手取り収入をメインとして不動産経営のプロによる賃貸管理とサブリースを比較していきたいと思います。
又、サブリースと賃貸管理の収支を比較した計算表を当ページの一番下に貼り付けております。計算の仕方を参考にご自身で保証率やPMフィーなど、数字を入れ替えて計算してみて下さい。

3.不動産経営のプロによる賃貸管理(プロパティマネジメント)の問題点について
ここまで、「不動産経営のプロによる賃貸管理」をお勧めしてきましたが、賃貸管理(プロパティマネジメント)にもやはり問題点があります。それは、賃貸管理(プロパティマネジメント)に問題があるというより、プロパティマネジメントを名乗る賃貸管理会社の問題です。
昨今、大阪でもプロパティマネジメント(以下、PM)を名乗る賃貸管理会社はかなり増えてきましたが、ほとんどの会社は単に従来型の賃貸管理を行っているだけであり、PMと言えるレベルにありません。要は、賃貸管理を行う会社が「自分たちはPM会社だ」と流行りの言葉を使いだしただけなのです。オフィスビルを専門に管理を行うPM会社には、賃貸不動産経営のプロと言える真のPM会社も多数存在するのですが、賃貸マンションの賃貸管理を行う会社にはPMと言える会社はほとんど見当たらないのです。(※1)
さて、では一体PMと従来型の賃貸管理の差は何かと言われると、根本的な差は賃貸管理という仕事に対する使命感に行き着きます。例えば、賃貸仲介店舗であれば賃貸管理を受託するのは、自社で賃貸仲介料を稼ぐ為です。又、建設会社であれば、目的は言うまでもなく建築で利益を得る為であり、両者とも賃貸管理については重きを置いていません。(賃貸管理の担当は、会社の主力事業で成績を残せなかった人が、やらされている位です。)その他、清掃会社・設備メンテナンス会社であれば、各種ビルメンテナンス業務の底値を知るPM会社の下で業務を行うより、オーナーから直で受託する方が、 コスト(見積もり)や業務品質に対するチェックが厳しくないので粗利が大きくなるというメリットがあります。それら別事業を本業に持つ会社に対し、賃貸管理を専門に行うPM会社であれば、賃貸管理報酬だけが自社の収入な訳ですから、管理物件の賃料収入(分母)を大きくしなければ、自分達の利益(分子)を大きくする事ができないのです。このクライアントの利益と自社の利益は共通しているという意識が、物件をより良くしていく為の行動の源泉となり、その一つ一つの行動の差が賃貸管理の品質やノウハウの差に繋がっていくのです。

又、ここまで触れていなかったので、ここで触れておきますが、不動産経営において「自分でできる範囲は自分でする」、要は「外部にお金を流出させない」のも成功の秘訣です。清掃の中日にポスト周りのチラシを整理されるだけでも案内時の物件の印象や入居者マナーは変わるものです。そして、何よりオーナーが頻繁に足を運ばれる物件の場合、やはりご自身の物件という目で見るからか、時には不動産経営のプロであっても気づかない事を指摘され、たまにハッとさせられる事もあります。そういった意味からも、お時間が許されるのであれば、頻繁に物件に足を運ばれてみては如何でしょうか?

※1.あくまで大阪の現状の話です。当サイト執筆者が知る限り、PMと言える賃貸管理会社が片手で充分数えられる大阪と違って、東京には優秀な賃貸マンションのPM業者が多数存在します。その他地域の状況には明るくありませんが、感覚的には大阪と似たりよったりな状況ではないかと思います。又、本文記載の通り、オフィスビルを専門に賃貸管理を行う優秀なPM業者は、大阪にも多数存在します。


4.サブリースとプロパティマネジメントの収支を比較する前にまず業務範囲の違いを確認しおきましょう。
サブリースとプロパティマネジメントの業務比較表
賃貸人
滞納保証
空室保証
入居者管理
建物管理
入金管理
家賃保証
入居者
×
×
×
×
PM
入居者
×
×
サブリース
サブリース会社


上記の表から解るように賃貸管理(PM)とリクルートフォレントインシュアのような家賃保証会社を組み合わせて使えば、違いは空室保証のみという事が解ります。しかも唯一の違いである空室保証にしても、「サブリース契約のメリット・デメリット3項」とこのページ内の2項に記載の通り、結局のところ建物の老朽化や景気の悪化により、サブリース会社から値下げ交渉が入れば、オーナーは値下げを呑まざるを得ないので、意味がありません。
又、建物管理に関しては、PM会社やサブリース会社を通して契約する事もできますし、オーナーが建物管理会社と直接契約を結ぶ事ができるという意味で△にしております。サブリース契約期間の事しか考える必要のないサブリース会社よりは、建物の競争力を長期スパンで考える必要のあるPM業者の方が、建物管理の品質に関してコダワリを持つ事が多いかと思いますが、業務範囲そのものは大きく変わりませんので、ここでは敢えて両者に差が無いとさせて頂きます。(但し、サブリース会社の利益の中から、建物管理費を支払う形態だけは、避けておかれた方が良いのは記述の通りです。)
尚、入居者の信用力(未収リスク)の問題については、とどのつまり、サブリース会社と家賃保証会社どちらの財務基盤がしっかりしているかという問題になります。但し、家賃保証会社を利用した場合、入居者と家賃保証会社のどちらかに家賃支払い能力があれば、未収は回避できるのに対し、サブリースを利用した場合は、サブリース会社が家賃支払能力を失えば即座に未収リスクが顕在化します。(サブリース会社が倒産したからといって、すぐに入居者との直接契約に切り替えができる訳ではありません。法的に考えても労力で考えても結構な期間が必要で、切り替えが完了するまでに掛かった期間の賃料は回収不能になる恐れがあります。)

以上が業務範囲の違いになります。但し、上記の表はあくまで業務範囲の違いをまとめただけですので、実際に行われる業務の質を見ていくと、当然に色々と差は出てきます。
例を上げれば、毎月の帳票や管理データ(トラックレコード)はPMの方がきっちりしている事が一般的です。今日ではトラックレコードの質や量の差が売却時の明暗を分けるようになっている事を思えば、この差は決して無視できるものではありません。
又、景気が悪化したり建物が老朽化すれば、物件との縁(契約)が切れるケースが多いサブリースと違い、PMはオーナーと考え方に大きな違いがない限り、永続的な賃貸管理を目指します。

「これらの業務の質やスタンスの違いが、将来大きな収益の差となって表れる」というのが、当サイト執筆者の持論なのですが、これ以上、業務の違いを事細かに説明しても、ご興味を示して頂ける方は少ないかと思いますので、最も皆さんの関心があるであろう、「賃貸管理とサブリース、一体どちらの手取り収入が大きくなるのか」に内容を移したいと思います。

5.賃貸管理とサブブリース、それぞれに任せた場合の収支を比較してみます。
当サイトでは、賃貸管理(PM)をお勧めしてきた手前、賃貸管理に甘い条件設定をしているとの誤解を招くような事が無いよう、賃貸管理(PM)に厳しい条件設定をし、標準的なサブリースと収支を比較していきたいと思います。
その契約の性質上、普通に計算をすれば、サブリースがPM(賃貸管理)の収支を上回る事がないであろうと充分予測(半ば確信)できるのですが、PM(賃貸管理)のみに厳しい条件設定で収支を計算した結果、「もしサブリースの手取り収入の方が大きくなったら・・・。」と少し不安も感じます。しかし、収益物件投資において、サブリース契約期間よりも契約期間外の方が長いはずです。(例えサブリースの契約期間を35年にしたところで、普通借家契約では途中解約される可能性も充分ありえる事は既に記載した通りです。)そのような理由から、サブリースの収支がPMの収支を上回っても、当サイトがサブリースをお勧めする事は決してありません。


表の上で記載しましたようにPMだけ敢えてきつめの条件を設定し計算を行いました。実際、空室率10%想定というのは相当ストレスを掛けたケースと言えると思います。(賃料5万円で空室率が10%の物件であれば、サブリースの査定賃料はもっと安く設定されるはずです。)
その他、空室率以外でPM側の設定を厳しくしている項目を挙げますと、例えば、大阪市内の物件であれば、礼金収入で原状回復費と広告宣伝費(仲介料)はギリギリ賄える事が多いのですが、この表では礼金収入の全額を原状回復費に費やし、更にオーナーは別途に広告宣伝費(仲介料)を支払わなければならない想定をしております。
その他、実際の実務と異なる点として、家賃保証会社への保証手数料があります。家賃保証会社へ支払う手数料は、実際には入居者負担なのですが、その分、礼金などの値下げ圧力に繋がるケースまで加味し、この表ではオーナーが保証手数料を負担するという計算にしています。
一方、サブリースの想定ケースは、査定賃料及び保証率の掛け目、免責期間ともに大阪市の標準的な例を採用しているかと思います。
PMだけに厳しい条件設定をしたので、「サブリースの収支の方が上になってしまうかも?」と思いながら値を入力していましたので、この計算結果には少しホッとしているというのが、正直な感想です。
又、本文にも記載しておりますが、「収益物件投資においては、サブリース契約期間外の方が長いのでサブリース契約後も踏まえた運用が大事」、そして「投資金額を早期に回収する事こそが、本当のリスク回避に繋がり、ひいては不動産経営の成功の確率を高める」という2つの内容が、当サイトで訴えたい事だったのですが、PMの条件設定を厳しくしすぎた為、後者に対する説得力は、やや欠けて見えるかもしれません。

尚、上記表で礼金収入と原状回復費支払いの金額が同じになっているのは、双方を相殺し計算しやすいよう意図的に数字を合わせたのですが、PMフィーの金額までも同じ数字になったのは全くの偶然です。

6.賃貸管理会社の実力チェックのコツや確認すべきポイント
サブリース大阪.comは、あくまでサブリースの問題点や知られざる実態を不動産の個人オーナーに向けて公開したサイトです。従って、賃貸管理についての記載内容は、あくまでサブリースとの比較に留まっております。実際にどんな賃貸管理(PM)会社なら安心なのか、賃貸管理会社の見分け方を詳しくお知りになりたい方は、サブリース大阪.comの姉妹サイト「不動産投資・収益物件売買なび大阪版」賃貸管理会社選びのコツをご覧下さい。
次項:サブリース契約書のチェックポイント>>


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