このページでは、実際に起こったサブリースの訴訟例を見ながら、まずは如何に日本の借地借家法が借主有利にできているかを理解すると共に、契約書に「賃料値下げはできない」旨が記載されていても、訴訟での結果、借地借家法の観点から無効とされた事実を知って頂きたいと思います。当ページ内で紹介する訴訟結果に限らず、契約書の条文は私法に過ぎないため、私法の中でどう記載されていようが、借地借家法などの民法(特別法)上、契約書の条文が認められないというケースは不動産に纏わる訴訟では珍しい事ではありません。(そのほとんどが、借主保護の精神に基づき、判決が下されているようです。)
又、このページ及び外部のリンク先の内容については、「契約書をどのように作成すれば良かったのか?」、「一体、何をチェックすれば良いのか?」をご自身でも考えながら読み進んで頂ければ幸いです。当サイト管理人のアイデアは、最終ページの「サブリース契約書のチェックポイント」に記載しています。しかし、当サイト管理人は法的専門家では無いので、「こういう考え方もあるのか」と弁護士に確認する際の参考に留めておいて下さい。実際、当サイト管理人も実務上では、確信が持てないケースの場合、やはり提携弁護士などに確認を取った上で行動するようにしています。ちなみに、弁護士に相談する際は、「この契約書で問題ないですか?」といった曖昧な質問は絶対に避け、可能性のあるリスクを一つ一つ具体的に列挙し、それぞれ問題がないか、しらみつぶしに確認して下さい。借地借家法は、民法の中でも少し独特な法律ですので、借地借家法が専門分野の弁護士でもない限り、いくら弁護士とはいえ、うっかりチェック漏れする事は充分ありえると思います。
尚、サブリース訴訟の判例については、幸いにして「サブリース大阪.com」で詳しく記載しなくとも、訴訟の結果をもとにサブリース契約に対し警鐘を鳴らされているサイトが既に複数存在していました。それらのサイトとあまり内容が重複してもしかたないので、サブリース訴訟についての詳細は、外部リンク先に頼る構成になっております。
1.サブリース訴訟事例その1:保証賃料と最高裁判断(住友不動産の事例、三井物産の事例)
サブリース訴訟の内容が非常に解りやすく纏められた税理士さんが運営されているサイトです。
http://www.bird-net.co.jp/rp/BR021007.html
2.サブリース訴訟事例その2:保証賃料と最高裁判断(長谷工の事例)
上記1.と同じサイトです。こちらもサブリース訴訟の内容が非常に解りやすく纏められています。
http://www.bird-net.co.jp/rp/BR041115.html
3.サブリース契約の判例や判例の動向など
上記1や2と同じケースも載っていますが、実社名は出していません。書き方が固いため、少し読みづらいかもしれませんが、事案ごとに細かく説明されているので参考になります。(※この会社は、殆ど全ての大手不動産会社と取引があるせいか、サブリースに限らず他の訴訟事例でも社名は伏せて記載されています。)
http://www.oj-net.co.jp/law_ex/index_cat03.html
4.サブリースに対する論文(両方ともPDF形式の長文です。)
この他にも教授や弁護士、不動産鑑定士など、色々な専門家の方がサブリースについて、それぞれの意見を論じておられる事からも、いかに複雑な問題かが解ります。
この早稲田の教授の方は、サブリースでも借地借家法が適用される。つまり、長期賃料保証型のサブリースであっても普通契約で契約が締結され、共同事業でない限り、途中解約も賃料値下げも当然にできるという見解をお持ちのようです。
個人的には、「じゃあ何の為の契約書なんだ。自分たちで用意した契約書の内容すら守る必要がないという解釈は、明らかに入居者サイドに立ち過ぎだろ。」という苛立たしい気持ちを抱いてしまいます。当サイト管理人の職業柄、ついオーナー側の立場に立って考えすぎなのでしょうか?
立命館大学教授の論文
早稲田大学教授の論文
以上、訴訟の事例を解りやすく簡潔に説明したサイトや細かく記載されたサイト、そして訴訟の判例に対する専門家の解釈・考えが中心に書かれた論文を幾つか紹介させて頂きました。
契約書に「○年間は解約不可かつ賃料値下げは行わない」という内容が記載されていても、そのような条文の効力を認めない裁判所の判断に驚かれた方もおられるかと思います。
又、このような裁判の陰で、サブリース会社から「裁判の結果、値下げ要求が認められている判例」を明示され、どのみち勝てないからと、裁判前にサブリース会社からの値下げ要求を泣く泣く呑んだオーナーも多数存在するのは間違いないでしょう。
当サイトでは、今後もこのような訴訟結果を積極的に開示していき、不動産のプロであるサブリース会社と一般オーナーの情報格差を少しでも埋めるお手伝いをしていきたいと考えております。
※「サブリース大阪.com」のサイト運営者は、法的専門家ではありません。実際のご決断においては、弁護士などの法的専門家にご相談の上、ご自身の自己責任でご判断頂くよう宜しくお願い致します。